ポンポン展(名古屋市美術館)
名古屋市美術館で開催されている、フランソワ・ポンポン展に行ってきました。
動物彫刻家、ポンポンの名は全く知らなかったのですが、TVでポンポン展のCMを見て興味を持ったのです。
彫刻だからなのでしょうか?入口すぐの、ポスターにも載っている恐らく代表作のシロクマが、撮影可となっていました。
絵とは違う、360℃の表現は直に見ないと素晴らしさは伝えにくい。その自信あっての撮影可なのではないでしょうか。
とはいえどうでしょう、この穏やかで優しいお顔のくまさん。
脚のほうはややデフォルメされており、たくましくもどこか可愛らしいずんぐりむっくり。
クマの他にも鳥や鹿、豚に猪にキリン、豹など多くの種類の動物が題材とされていましたが、どれも眼にしっかりと魂がこめられ、脚の表現にもこだわりがありスラリと伸びたカッコよさを重視したものと↑のクマのように太ましくする事で可愛らしくデフォルメしたものとにわかれているように感じました。
特に黒豹シリーズはいくつものバージョンが同時に展示され、初期のものはブロンズを細やかに削り各面は綺麗に研磨しなめらかに仕上げているものの、面と面の間の角を荒く残すことでとても力強い筋肉を表現していました。そんなカッコいい初期の豹から、時代が進むにつれ耳が垂れ脚が太くなり眼差しも穏やかになり、写実とデフォルメの見事なグラデーションを見せてもらいました。
この部屋の展示こそ写実撮らせてもらいたかったなぁ…
クマの作品も写真の全身彫刻だけでなく、顔だけのものはさらに表情豊かで、立体である彫刻ならではの楽しみ方として、左から右から、下からと様々な角度どこから見ても優しさに満ちたクマの顔を見る事ができました。また顔だけの作品なので、壁の向こうではどんな体勢でいるのか?くつろいでいるのがのそのそと歩いているのか、はたまた人間のように立ち上がって片手でも挙げているのか、想像を巡らせている間も楽しく、10数分もの間クマの頭の前をウロウロとしていました。
どの作品にも共通していたのは、立体としてのボリュームが素晴らしく
展示台を360℃どの面から見ても楽しめるということ。
鳥の作品などは身体、というか胸のボリュームがありやや首を傾げるようなポーズが多かったので是非とも展示台をぐるりと一周して楽しんでもらいたいものです。
写真撮影可なのが入口にあったものともう一体のシロクマだけだったので、魅力を伝えるのは難しいですが。美術に対してはさほどセンスの無い僕も楽しむことが出来たフランソワ・ポンポン展、オススメです。